弁護士法人PLAZA総合法律事務所 PLAZA LOW OFFICE

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2021.7.19

契約書のチェックをAIが行う「AI-CON Pro(アイコンプロ)」を導入しました

PLAZA総合法律事務所ではAI(人工知能)を使って契約書のチェックを行う「AI-CON Pro(アイコンプロ)」を導入。顧問先企業の契約書サポートを一層強化する体制を整えました。事務所内で契約書に関するナレッジを共有し、常にアップデートしていくことが可能となるツール。導入してみての感想と、今後の期待を法人代表の小幡朋弘弁護士と運用担当の京谷周弁護士に聞いてきました。

より高度なリーガルサービスを提供
京谷 AI-CON Proは今年2021年の春から導入しました。今、試運転が終わって、これから全開で使うという状況です。こうしたサービスを使うことで、クライアント企業に対してはよりリスクの少ない契約書へ。より高度なリーガルサービスを提供できる体制になったと思っています。事務所全体での契約書作成、レビューは、大小ありますが月30件程度はあり、比較的多い分野の業務です。私たちの事務所は札幌と東京と2拠点ありますが、物理的な距離が大きく離れています。そして、札幌事務所も東京事務所も、弁護士が増えています。昨今、AIが進化し身近になったこともあり、弁護士間の契約実務に関するナレッジを共有しながら、さらにその高品質化、効率化を図ることができるツールを探していました。色々と調べ、契約書レビューを支援するツールはいくつかありましたが、私たちが求めることを実現できるAI-CON Proを導入しました。

各自の知見が1カ所に集約する道具
小幡 AI-CON Proを使うと、自分たちのマニュアルが自然と整備されていくのです。「どこに危険な条文が潜んでいるか」というリスクポイントが一瞬でわかるようになります。契約の種類ごとに、賃貸借契約ならば落とし穴的ポイントはここだよとか。不動産の売買契約ならばこういったところに注意せよとか。事務所のノウハウが集約できるというところが導入の決め手でした。自分たちのチェックポイントを作れば作るほど、AIが検知してくれます。わたしたちならではのランプがつくようになるのです。先輩弁護士がランプを光らせてきた部分を、新人弁護士はそれを見て気づける。事務所全体でカバーし合う、学べるツールになります。これは画期的な道具です。例えて言うならば、当事務所オリジナルの辞書がクラウドに構築されていく感覚です。加えて、この辞書が常に書き換えられ、アップデートされていくところが優れたところだと思っています。

AIと人間のハイブリッドで使う
京谷 しかし、契約書のチェックをこのAIサービスに任せきりにすることはありません。弁護士が、クライアントが求めるビジネスモデルや取引内容を実現できるのかについて、自身の知見に基づいて深く検討します。AI-CON Proを使うことは、必要条件ではありますが、十分条件ではないのです。AIは必要な情報を抜け漏れなく拾い出したりすることは得意ですが、それを顧問先企業の個別具体的な案件に適応させたり、拾い出した情報の要否を判断することはできません。弁護士は紛争化した場合などを考慮したり、クライアントのニーズを踏まえて個別具体的に適応させたりすることは得意ですが、人間なので抜け漏れが生じたり、必要な情報へのアクセスに時間がかかったりすることがあります。そのため、弁護士が得意な部分と、AIが得意な部分とを使い分けることによって、より精度の高い契約書のリーガルサービスを提供していきたいと思っています。

配慮が行き届いた契約書へ
小幡 契約書の作成は、一見、簡単なように見えて奥深いところがあります。ある一文が明記されていたことで、裁判で有利になったという事例があります。例えば、東日本大震災のようなことがあった時。売主・買主どちらに責任があるのか。100年に一度といったことをも想定して契約書に書いてあるかどうかで、後々に影響が出てくるのです。このような経験値は各弁護士の頭の中だけにあることが多い。今回、AI契約審査クラウド AI-CON Proを導入したことで、場所も人も関係なく標準化されたサービスを提供することができます。今後は、事務所の顧問契約の有無に関わらず、遠慮なく契約書というものを見せていただきたい。クライアントの不測の時に備えておきたいのです。顧客を守る配慮が行き届いた契約書を一件でも増やすことで、安心して経済活動ができる会社を増やしていきたいと思っています。

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