弁護士法人PLAZA総合法律事務所 PLAZA LOW OFFICE

第80回目は、育児・介護休業法⑮です。

育児・介護休業法の改正により、令和7年4月1日から「介護に直面する前の早期の情報提供」が義務化されます。これは、労働者が介護に直面する前の早い段階で、事業主が介護休業制度や介護両立支援制度等について情報提供をしなければならないというものです。

情報提供を行う時期は、以下のいずれかの期間です。

・40歳に達する日の属する年度の初日から末日までの期間(例:4月1日~翌年3月31日)
・40歳に達する日の翌日から起算して1年間(例:40歳の誕生日から1年間)

なお、「40歳に達する日」とは40歳の誕生日の前日を指します。該当する期間に達した労働者には、本人からの申出がなくても情報提供を実施する必要があります。

情報提供すべき内容は、介護休業制度及び介護両立支援制度等(介護休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、所定労働時間短縮等の措置)の概要、申出先、介護休業給付金に関することです。さらに、介護保険制度についてもあわせて周知することが望ましいとされています。

情報提供の方法は、面談(オンライン含む)、書面交付、FAX、電子メール等(イントラネット、webメール、SNS含む)から選択できます。対象者は日々雇用される者を除くすべての労働者で、有期雇用労働者も含まれます。

この制度により、労働者は介護が必要になる前から制度を理解し、いざという時にスムーズに利用できるようになることが期待されています。

次回テーマは、「最低賃金」です!

社会保険労務士 上戸 悠吏江(うえと ゆりえ)

2008年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)。2018年社会保険労務士登録。北海道出身。

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