弁護士法人PLAZA総合法律事務所 PLAZA LOW OFFICE

第84回目は、同一労働同一賃金①です。

今回から、同一労働同一賃金について解説します。
この制度は、「働き方改革」の柱の一つとして導入されたもので、パートタイム・有期雇用労働法が改正され、同一労働同一賃金が法制化されました。これは、同じ企業内で働く正社員と非正規雇用労働者(パートタイマー、有期雇用労働者、派遣労働者)との間の不合理な待遇差を解消することを目的としています。

対象となるのは、同一企業内の「通常の労働者」と「短時間・有期雇用労働者」「派遣労働者」です。ここでいう「通常の労働者」とは、いわゆる正社員を指し、無期雇用のフルタイム労働者が該当します。

重要なのは、単純に「同じ仕事なら同じ賃金」ということではなく、職務内容、配置変更の範囲、その他の事情を考慮して、不合理な待遇差があってはならないという「均衡待遇」と、職務内容と配置変更範囲が同じ場合の「均等待遇」の2つの考え方があることです。

均衡待遇は、職務内容等に違いがある場合でも、その違いに応じたバランスの取れた待遇を求めるもので、均等待遇は、職務内容と配置変更範囲が全く同じ場合に差別的取扱いを禁止するものです。

企業は、基本給、賞与、各種手当、福利厚生など、すべての待遇について、この原則に基づいて見直しを行う必要があります。また、非正規雇用労働者から求められた場合、待遇差の内容や理由について説明する義務も新たに設けられました。

次回テーマは、「同一労働同一賃金②」です!

社会保険労務士 上戸 悠吏江(うえと ゆりえ)

2008年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)。2018年社会保険労務士登録。北海道出身。

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