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【ビジネス法務】債権回収―状況に応じた戦略的対応を経験させる

『ビジネス法務』2026年3月号の特集1は「新人法務の『初めて』を成功させる」です。その中に「債権回収―状況に応じた戦略的対応を経験させる」(執筆:中森亘弁護士)があります。取引先の支払遅延や倒産に直面したとき、迅速かつ適切な債権回収対応が求められます。本稿では「初めての債権回収」を成功させるためにフォローすべき要点が解説されています。

  • Ⅰ 債権回収における基本姿勢
  • Ⅱ 債権回収の法的手段
  •  1契約解除・所有権留保
  •  2相殺
  •  3担保権の実行
  •  4裁判手続
  • Ⅲ 経営悪化時(倒産前段階)における債権回収
  •  1倒産の予兆と情報収集
  •  2経営悪化時における留意点
  • Ⅳ 倒産手続に入った段階の債権回収
  •  1倒産手続の種類
  •  2倒産手続下における留意点
  •  3財産隠匿等を行う取引先
  • Ⅴ 最後に

<PLAZA総合法律事務所の弁護士解説>

1 はじめに

本稿では、債権回収を成功させるためにフォローすべき要点について解説されています(元執筆者:中森亘弁護士)。

2 債権回収の法的手段

債権回収のための法的手段としては、以下のようなものがあります。

(1)契約解除・所有権留保
契約解除は、期限内に売買代金の支払いがなされない場合、債務不履行を理由に売買契約を解除した上で商品の返還を受けることにより、債権回収を図るというものです。
所有権留保は、あらかじめ契約書等で代金完済まで所有権を売主に留保するという特約を定めておくものです。

(2)相殺
自社が取引先に対して債務を負っている場合(反対債務)、その反対債務と自社の債権とを対当額で相殺することにより、実質的な債権回収になります。

(3)担保権
担保権は、他の債権者に優先して担保目的物から債権を回収できる権利であり、強力な債権回収手段です。担保権には法定担保権と約定担保権があります。前者には留置権や先取特権があり、後者には質権や抵当権があります。

(4)裁判手続
債権回収の法的措置の典型は訴訟提起(裁判)です。
ただし、訴訟で勝訴判決を得てもそれだけで債権回収ができるわけではありません。相手から任意の支払いを受けられない場合は、判決を「債務名義」として債務者の財産を差押える必要があります。
そのため、取引先に目ぼしい財産がない場合は差押えるべきものがないことになります。そのような場合には判決を得ても回収ができず、訴訟にかけたコストが無駄になってしまうことに注意が必要です。

3 倒産手続

倒産手続の種類(破産、民事再生、会社更生など)によって権利行使の方法や債権者の処遇が異なるため、手続に応じた対応をとる必要があります。例えば、相殺は破産手続においても原則として有効です。ただし、一定の制限があり相殺できないケースもあります。

4 おわりに

今回もお目通しをいただき、ありがとうございました。
本稿では、状況に応じた債権回収の留意点について解説されております。債権回収を成功させるには、状況に応じた適切な手段を選択することが必要です。債権回収をご検討の際には、弁護士の方にお気軽にご相談いただければと思います。

弁護士 小川 頌平(おがわ しょうへい)

札幌弁護士会所属。
2025年弁護士登録、同年PLAZA総合法律事務所入所。北海道出身。

協力:中央経済社
公式サイト(http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/

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