『ビジネス法務』2020年1月号の特集2は「五輪を契機に、今はじめる!テレワーク導入の手引き」です。いよいよ今年、間近に迫った東京オリンピック・パラリンピック。開催期間中の公共交通機関の混雑を避けるため、都内の企業は続々とテレワークの導入に乗り出しています。一方で、労働力不足が深刻化するなかで、人材確保の切り札として戦略的にテレワークを導入する企業も増えてきています。このテレワークを導入するためには、どうしたらいいのか。本特集ではその導入ステップについて解説がなされています。
・テレワークの種類
―在宅勤務
―サテライトオフィス勤務
―モバイル勤務
・テレワークのメリット
―生産性の向上
―非常時における事業継続性の確保
―人材確保
―コスト削減
・就業規則の変更
・労働時間制度の選択
・勤怠管理の方法
・勤務時間中の中抜け
・移動時間の取り扱い
・休憩時間の取り扱い
・テレワーク中の事故
・テレワーク勤務者の業務マネジメント
・テレワーク勤務規定として、定めておく項目例
目的、定義、適用対象者、申請手続、就業場所、労働時間、服務規程、モニタリング、情報通信機器等の貸与、私物の情報通信機器等の利用、情報漏えいの防止、費用負担、連絡体制、教育・研修、安全衛生・災害補償
<太田・小幡綜合法律事務所の弁護士解説>
人材不足によって、働き方が見直される昨今、テレワーク制度に対し需要が高まっています。
厚生労働省や総務省においても、近年、テレワークに関連するガイドラインを策定し、テレワークに関するルール作りを行っているところです。
その様な世間の動きに対応するため、テレワーク制度の導入を検討し始めている企業様もおられるかと思いますが、本稿では、テレワーク勤務の社内でのルール作りの一環として、テレワーク勤務規程の雛形を記載し、各条項を解説しております。
特に、労働時間把握の方法や、時間外労働、深夜・休日労働などの規程、情報漏洩の規程は後にトラブルになりやすいため、あらかじめ各種規程を定めておくことが紛争予防の観点から大切です。
本稿では、当該規程の解説も記載されておりますので、ご一読されてみてはいかがでしょうか。
また、本稿の雛形はテレワークに関する規程が網羅的に記載されており、記載漏れがないか等のチェックにも有用ですので、ぜひご参考ください。
(弁護士 西尾 順一)