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【ビジネス法務】精神疾患に起因する社員の問題行動への労務対応

『ビジネス法務』2021年4月号の特集2は「精神疾患に起因する社員の問題行動への労務対応」です。精神疾患が疑われる問題行動を行う社員について、その問題行為が精神疾患によるものであるか否かで、使用者より問責できる程度が異なります。行うべき人事措置も変わってきます。まず第1に、問題行為が精神疾患によるものであるか否かの判断(診断)が重要になります。また、仮に精神疾患によるものであった場合でも、それが業務を原因とするものであるか、私傷病であるかにより、人事措置も変わらざるを得ないのが実情です。この点の見極めも重要になってきます。さらに、私傷病休職期間満了時における治癒(就業可能性)の判断も、容易ではない事例が多く、この点も慎重な手順が要されます。本稿では、発症・認定、休職、復帰時の各段階における企業の考慮要素と対応プロセスについて解説されています。

  • Ⅰ はじめに
  • Ⅱ 問題社員による問題行為が精神疾患によるものか否かが不明の段階
  •  1問題行為と精神疾患との関係
  •  2専門医への受診命令
  •   (1)問題社員が受診命令を拒否した場合
  •   (2)問題行為が精神疾患に起因すると診断された場合
  •   (3)問題行為が精神疾患に起因しないと診断された場合
  •  3専門医への受診命令を経ないで行われた人事措置(解雇など)の効力
  •  4問題社員が受診命令に従わなかった場合
  • Ⅲ 問題行為が精神疾患に起因すると判断(診断)された段階
  •  1業務起因の有無による相違
  •  2精神疾患の業務起因性の判断
  • Ⅳ 精神疾患による私傷病休職から復帰(復職)する段階
  •  1休職からの復帰―「治癒」の原則
  •  2「治癒の」判断基準
  •   (1)時間的な配慮
  •   (2)業務的な配慮
  •  3「治癒」の判断方法
  • Ⅴ 小括

 <PLAZA総合法律事務所の弁護士解説>

本記事では、精神疾患の発症・認定・療養(休職)・治療(復職)といった時系列ごとに、企業として精神疾患が疑われる問題行動を行う社員に対しどのように対応していくべきかについて解説がなされております。
企業において、自社の社員が問題行動を起した場合、それが精神疾患によるものなのか、それとも、当該社員のもともとの性格によるものなのかについて判断がつかないことが多いのが現状です。そして、そのような場合に、企業が当該社員に対して、原因を明らかにするため、専門医への受診命令を出してよいものなのか、受診命令を出さないまま人事措置を講じてよいのかということで悩まれているということをよく耳にすることがあります。
また、精神疾患による休職期間満了後、当該社員が復職する際にどのように対応すべきかわからず難儀しているという企業も見受けられます。
精神疾患は、外形から一見して分かる傷病ではなく、専門家ではない使用者が判断するのは難しいものであるため、適切に対応するには専門家との連携が必要不可欠です。さらに、企業が一度対応を誤ると、そのことにより精神疾患が悪化してしまう事もありうるので、より慎重な対応が求められています。
本記事では、場面ごとにどのような点について気をつけて対応すべきかが非常にわかりやすく整理されておりますので、この機会にぜひご覧ください。

(弁護士 小西 瑛郁)

協力:中央経済社
公式サイト(http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/

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