今月、第1回目のテーマは、こちらです。
テーマ:なぜ「後継者不在」が問題なのか
中小企業庁の調査によれば、53.9%の中小企業経営者が後継者未定とされています。特に60代後半から70代の経営者ほど、「まだ決めていない」、「何となく考えている」という回答が多いのが実情です。
しかし、事業承継に関わる課題は、年齢とともに「確実に選択肢が狭くなる」という現実があります。具体的には、次のような問題が挙げられます。
1.後継者不在がもたらす主なリスク
後回しにすると対応が難しくなる事項として、
・銀行借入や経営者個人の保証の整理
・自社株評価の高騰による相続税負担の増大
・後継者育成に必要な時間の確保
・建設業などに代表される許認可承継の手続
・取引先・金融機関・従業員への説明や理解形成
・家族間の利害調整や感情面の対立
上記のリスクが挙げられます。これらはいずれも、社長が元気で、判断能力が十分にあるうちでなければ円滑に進めることができません。また、実務の現場では、後継者不在を背景に、次のような事例が数多く見られます。
2.実務で実際に起きているトラブル例
・体調悪化後に慌てて準備を始め、家族が一気に混乱する。
・M&A交渉中に社長が急逝し、株価が跳ね上がって相続税が問題となる。
・遺言を作成しないまま相続が発生し、自社株が共有状態になる。
・株式の議決権が行使できず、会社の意思決定が停止する。
後継者不在は、単なる「将来の心配」ではありません。今現在における会社の経営、資金、信用、人の問題に直結する「現在進行形の重大な経営リスク」です。
だからこそ、事業承継は「元気なうち」にこそ、計画的に取り組む必要があります。
上記の件で、ご不安なこと等がございましたら、お気軽に当法人までお問い合わせください。

行政書士 関上 健一郎
(せきがみ けんいちろう)
北海道行政書士会所属。
2007年行政書士登録、同年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)入所。
北海道出身。