弁護士法人PLAZA総合法律事務所 PLAZA LOW OFFICE

第11回目は、裁量労働制②です。

今回のテーマは、企画業務型裁量労働制です。

企画業務型裁量労働制は、事業運営の企画、立案、調査及び分析の業務であって、業務遂行の手段や時間配分などに関して企業が具体的な指示をしない業務について、実務の労働時間数とはかかわりなく、労使委員会で定めた労働時間数を働いたものとみなす制度です。

導入の流れとして、労使委員会を設置し次の①から⑧までの事項を決議し、労働基準監督署に届け出ることとなります。①対象となる業務の具体的な内容、②対象労働者の具体的な範囲、③労働したものとみなす時間、④対象労働者の勤務状況に応じて実施する健康及び福祉を確保するための具体的措置、⑤苦情処理の措置の具体的内容、⑥労働者本人の同意を得なければならない旨及びその手続き、不同意労働者に対し不利益取扱いをしてはならないこと、⑦決議の有効期間、⑧企画業務型裁量労働制の実施状況に係る労働者ごとの記録の保存、です。企画業務型裁量労働制の対象労働者に同意を得て、制度を実施することとなります。また、労使委員会での決議が行われた日から起算して6か月以内ごとに1回労働基準監督署長へ定期報告を行う必要があります。

労働時間については、労使委員会で定めた労働時間を労働したものとみなされますが、法定休日や深夜に労働した場合には休日割増賃金や深夜割増賃金を支払わなければなりませんので、注意が必要です。

令和3年の就労条件総合調査結果では、専門業務型裁量労働制は全企業の2.0%、企画業務型裁量労働制は全企業の0.4%となっております。裁量労働制は、導入の要件が厳しいこともあり、実務での利用は少ないといえます

次回テーマは、「休日」です!

社会保険労務士 上戸 悠吏江(うえと ゆりえ)

2008年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)。2018年社会保険労務士登録。北海道出身。

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