第5回目は、フレックスタイム制②です。
今回は、フレックスタイム制を採用するために必要な労使協定(①対象となる労働者の範囲、②清算期間、③清算期間における総労働時間、④標準となる1⽇の労働時間、⑤コアタイム、⑥フレキシブルタイム(⑤と⑥は次回))の内容について説明をしていきます。
まずは、「①対象となる労働者の範囲」についてです。対象となる労働者については法律上の制限はありませんので、全従業員を対象とすることや、一定の部署や各人ごとにすることもできます。
つぎに、「②清算期間」、「③清算期間における総労働時間」についてです。清算期間とは、フレックスタイム制において労働者が労働すべき時間を定める期間のことです。これまで上限は1か⽉でしたが、平成31年4月以降は3か月に延長されました。
清算期間を設定しましたら、清算期間における総労働時間を決定していきます。40時間×清算期間中の歴日数÷7の計算式で、清算期間中の法定労働時間の総枠が計算できるので、総労働時間はその範囲内に定めます。例えば、清算期間を1か月として、その暦日数が31日でしたら、法定労働時間は177.1時間になりますので、その時間内で、総労働時間を決定していきます。
そして、「④標準となる1⽇の労働時間」とは、年次有給休暇を取得した場合に⽀払われる賃⾦の算定基礎となる労働時間の⻑さのことです。清算期間における総労働時間を、期間中の所定労働⽇数で割った時間を基準として定めます。
次回は、「フレックスタイム制③」です!
社会保険労務士 上戸 悠吏江(うえと ゆりえ)
2008年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)。2018年社会保険労務士登録。北海道出身。