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【ビジネス法務】広告審査法務の実践

『ビジネス法務』2019年5月号の特集は「広告審査法務の実践」です。いかに不当な表示を防ぎ、効果的な宣伝を促進できるのか。背景には2016年の景品表示法への課徴金制度導入以降、消費者庁による同法執行件数が増加していることにあります。いま、「広告・表示コンプライアンス」の強化が求められているのです。法務部門では、法規制や各種ガイドラインの趣旨を適切に理解し、広告・表示の違法可能性を指摘することはもちろん、一方では、商品の魅力といった訴求ポイントを損なわずに宣伝を行うといった姿勢も必要だと、同誌では指摘しています。

本特集の前半では広告審査の着眼点を解説。後半では3社の実例をもとに社内審査プロセスのあり方、審査担当者の心構えを紹介しています。

 

  • 特集1 広告審査法務の実践
    「事例で鍛える! 広告審査の着眼点と具体的な修正提案」

    広告・表示の検討にあたっては、景品表示法に違反するリスクと、表現を変更せざる得ないことによる売上減少のリスク。この両方を意識することが求められる。景品表示法では許容される広告表現と許容されない広告表現が事前に明示されておらず、YES/NOではなく予想のブレを織り込む場合もある。さまざまな事情を総合的に考慮して判断することから、すべての広告・表示に共通する「正解」があるものではない。広告・表示はクリエイティビティが求められるものであり、検討の前提となる景品表示法の考え方や誤認リスクを事業部門と共有のうえ、変更点を一緒に検討することも有益である。

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<太田・小幡綜合法律事務所の弁護士解説>

本記事では、企業が広告表現を行うにあたっての法務的な審査の手法について書かれています。
特に審査にあたっての着眼点として、①一般消費者が広告内容をどのように認識するであろうかという視点を持つべきこと、また、②景品表示法において許容される広告表現は一義的に明確ではなく濃淡の問題であることから、各企業が自社の方針に照らしてどの程度までのリスクを許容しうるかという観点から総合的な考慮が必要であることが指摘されています。
具体的な事例を見てみると、一般消費者に誤解を与えない表現としつつも、広告表現としてのクリエイティビティや一般消費者への訴求力をいかに保持するかに様々な工夫が凝らされていることや、消費者庁等による処分事例やガイドラインの入念な検討が必要であること等が良くわかります。
商品の広告等を検討されるにあたっては、是非本記事をご参考としていただければと存じます。

(弁護士 山下 剛)


協力:中央経済社
公式サイト(http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/)

 

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