第79回目は、育児・介護休業法⑭です。
育児・介護休業法の改正により、令和7年4月1日から「介護に直面した旨の申出があった場合の事業主の措置」が義務化されています。これは、従業員が家族の介護が必要な状況になったことを会社に申し出た際、事業主が必ず個別に介護休業制度や介護両立支援制度等について周知し、あわせて制度の利用意向を確認するための措置(面談など)を講じなければならないというものです。
「介護に直面した旨の申出」とは、労働者の対象家族が介護・支援を必要とする状況に至った事実を申し出ることで、例えば親がケガ等により日常生活に支援が必要になったことなどが該当します。
周知すべき内容には、介護休業制度及び介護両立支援制度等(介護休暇、所定外労働の制限、時間外労働の制限、深夜業の制限、所定労働時間短縮等の措置)の概要、申出先、介護休業給付金に関することが含まれます。周知方法は面談(オンライン含む)、書面交付、FAX、電子メール等があり、従業員の希望に応じて柔軟に対応できます。
措置を実施する時期は、介護休業の場合は開始希望日の2週間前まで(1か月以上前の申出の場合)、介護両立支援制度等の場合は開始希望日の1か月前まで(2か月以上前の申出の場合)に行う必要があります。
なお、家族の介護に関する情報を職場で明らかにしたくない労働者もいるため、情報管理には十分な配慮が必要です。労働者の意向を踏まえて情報の共有範囲を必要最小限にするなどの対応が求められます。
次回テーマは、「育児・介護休業法⑮」です!

社会保険労務士 上戸 悠吏江(うえと ゆりえ)
2008年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)。2018年社会保険労務士登録。北海道出身。