2021.1.21
2020年はどういう年だったのか〜会長弁護士・太田勝久
内部維新をうまく起こせた1年
コロナ禍によって非常事態宣言が出され、2020年は大変な1年でした。弁護士業界においても、すべての動きが止まりました。裁判所もそうです。裁判が全部ストップしたのです。通常に戻ったのは、夏も過ぎたころでした。ようやく通常に戻ったかなというところに、いわゆる「第3波」というものがやってきた。今はそういう状況です。このコロナ禍により、人の動きが止まりました。企業はダメージをそうとう受けた。この環境下で、企業には緊急融資が行われました。厳しい経営状況のところでは、税金や社会保険料がタナ上げになっている。世の中、ものすごく景気が後退した印象を受けています。
コロナの影響は突然やってきて非常に大きいのですが、日本は2019年の10月に消費税を10%に引き上げました。消費者の財布のひもが固くなったところにコロナが来た。企業は大変なダメージを受けていると見ています。今の所は「痛み止め」を打っていて、なんとか症状を止めている状態。この大変さが来年春の決算期に出てくると予想しています。赤字決算のしわ寄せが雇用に及ぶ。その結果、生活の厳しい人が増えてくると思います。しかし、世の中まだ大騒ぎにはなっていない。来春以降の動きが非常に懸念されます。
当事務所の運営で言うと、2020年はわたしと小幡弁護士が共同代表としてツートップで走ってきました。その中で、東京事務所では弁護士の単独事務所から会計事務所や司法書士事務所が集まり、いわゆるワンストップサービスが提供できる「東京事務所の法務・会計プラザ化」を実施しました。5月から社名も「太田・小幡綜合法律事務所」から「PLAZA総合法律事務所」に変更。新体制を構築し、「コロナ禍での維新ができ、内部体制を固めた」という年だったかと思います。
元々は、わたし太田の個人事務所から出発しています。個人の色彩が強かった事務所を、チームとして組織で運営することに転換できた。内部体制をこれまでの「Aタイプ」から「Bタイプ」に変え、うまく内部維新が起こせたということになります。世代交代を進める節目の年でした。
わたしはこれからも「一兵卒」として仕事を継続していきます。世の中、積極的に係争をしていくという雰囲気ではないので、法律事務所としては仕事の量は減っていくと予想しています。なので、既存の顧問先企業の支援を重点にしています。2021年は、まだまだ先が見えない状況がつづきます。一方で、事務所が入居する道銀ビルの建て替え話が浮上しています。今後、ビルの移転に備えて「法務・会計プラザ」全体として、どういう場のあり方が適しているのか、それを今後は模索していきたいと思っています。