『ビジネス法務』2025年3月号の実務解説は「近時の措置命令と事業者向けQ&Aをふまえた、ステマ対応のポイント」(執筆:土田悠太弁護士)です。ステマとは、「ステルスマーケティング」のこと。消費者庁の措置命令など、実務上内容を理解しておくことが解説されています。
- Ⅰ はじめに
- Ⅱ ステマ告示の概要
- Ⅲ 近時の措置命令と実務上の留意点
- 1医療法人社団祐真会に対する措置命令
- 2大正製薬株式会社に対する措置命令
- 3その他の留意点
- Ⅳ おわりに
<PLAZA総合法律事務所の弁護士解説>
1 はじめに
本稿では、規制の導入から1年が経った「ステルスマーケティング」について、この1年間で消費者庁が出した措置命令などについて解説がされています。
2 ステルスマーケティングとは
ステルスマーケティングとは、外形上はインフルエンサーなどの第三者が商品についての広告・レビューを自主的に行っているように見える表示が、実際上は当該企業が第三者に影響を及ぼして広告・レビューの内容に関与している場合をいいます。
消費者の立場からすると、企業自らが作成している広告であれば、商品PRのために一定の誇張が含まれているということを織り込んだうえで広告に目をやることができます。
しかし一方で、一見商品を製作している企業とは無関係な中立的な立場にある第三者が当該商品について好意的な意見・広告をしている場合には、商品PRのために一定の誇張が含まれているということを織り込んだうえで広告に目をやることは難しくなってしまうため、消費者の冷静な判断が阻害される危険性があります。
ステルスマーケティング(通称「ステマ」)の問題点はここにあるとされています。
3 ステマの具体例
(1)医療法人社団祐真会に対する措置命令(消表対523号令和6年6月6日)
インフルエンザワクチンの接種を提供していた祐真会は、来院者に対して、googleマップの口コミ投稿に、祐真会の評価として「星4」若しくは「星5」の評価を行うことを条件として接種費用の割引を行っていたところ、消費庁は、ステマ規制に反するものとして措置命令を講じました。
(2)大正製薬株式会社に対する措置命令(消表対1034号令和6年11月13日)
大正製薬は、大正製薬が供給するサプリメント商品について、インフルエンサーに対してSNS上での商品PR投稿を依頼しました。そのうえで、大正製薬は自社のHPにおいて、「Instagramで注目度上昇中↑」となどといった表記とともに、当該SNSの画像を抜粋して掲載していました。
大正製薬側は、自社のHPにおける掲載である以上は、商品PRのための広告であることは客観的に明らかであり、消費者の目線で捉えたとしても、不測の損害、不意打ちは生じないと主張しましたが、消費者庁はこれを排斥しました。
4 おわりに
今回もお目通しをいただき、ありがとうございました。
弊所の顧問先の皆様におかれましても、SNSを通じた商品PRを実施する機会は多くなってきているものと存じます。デジタル社会の目まぐるしい進展に伴い、これまでになかった新たな規制も日々施行されておりますので、新事業遂行の際には、どうぞお気軽にご相談をいただけたらと存じます。

弁護士 白石 義拓(しらいし よしひろ)
第二東京弁護士会所属。
2022年弁護士登録、同年PLAZA総合法律事務所入所。栃木県出身。

協力:中央経済社
公式サイト(http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/)