弁護士法人PLAZA総合法律事務所 PLAZA LOW OFFICE

コラム

2021.2.17

【ビジネス法務】「リモートハラスメント」リスクへの具体的対応

『ビジネス法務』2021年2月号の実務解説は「『リモートハラスメント』リスクへの具体的対応」です。リモートワークには、柔軟な働き方ができることや、通勤時間がなくなることによる時間の効率的運用といったメリットがある一方、新たな問題も生じてきました。その一つがリモートハラスメントと呼ばれる現象です。ハラスメントについては、2020年6月にも改正労働施策総合推進法が施行されました。その結果、パワーハラスメントに対し、企業が雇用管理上の措置を講ずることが義務づけられました。ハラスメントを防止する必要性はますます高まってきています。本稿ではリモートハラスメントの問題点と、これに対する企業の対処法について概説しています。

  • Ⅰ 働き改革の潮流と新型コロナウィルスの流行
  • Ⅱ リモートワークにおける新たなストレス状況
  •  1リモートワークとこれまでの職場での仕事の違い
  •  2コミュニケーション方法の変容
  •   (1)メール・チャットの利用の増大
  •   (2)ウェブ会議の導入
  •   (3)日常会話の消滅 
  •  3「公」と「私」の混在
  • Ⅲ リモートハラスメントの例と対応策
  •  1厳しい指示
  •  2業務時間中の「私」の介入に対する不適切な発言
  •  3プライベート空間への介入
  • Ⅳ 終わりに

 <PLAZA総合法律事務所の弁護士解説>

昨今、新型コロナウイルスの感染拡大やウェブ会議システム等の普及に伴い、多くの企業でリモートワークが導入されるようになりました。リモートワークには、時間や空間の制約にとらわれることなく柔軟に働くことができるといったメリットや通勤時間の削減により時間を効率的に運用できる等といったメリットが存在します。
他方で、リモートワークにもリモートワーク特有のデメリットが少なからず存在します。本記事では、リモートワーク特有のデメリットとして、メールやチャットでのやり取りの際に、対面で会話をするときのような微妙なニュアンスが伝わりにくいこと、ウェブ会議の際に、参加者同士のやりとりがしづらいこと、職場という「公」の空間と自宅という「私」の空間が混在しており、ウェブ会議中に子供の声が入ってしまったり、自宅の様子を参加者に見られてしまうといった「公」への「私」の介入や「私」への「公」の介入が生じ得ること等が取り上げられています。
本記事では、このようなデメリットから生じるおそれのある様々な問題を取り上げた上で、これらの問題がパワハラやマタハラ等のハラスメントに繋がりうる旨提唱し、それを防ぐための対応策や留意点について詳しい説明がなされています。
ご参考までに、本記事で紹介されている例を一つ取り上げさせていただきます。業務の進捗状況などを確認する際、「頼んでおいた〇〇、どうなってるの?」といった質問をすることがあるかと思われます。口頭であれば柔らかく伝えることもできますが、文章の場合、そのような言外のニュアンスが伝わりにくく、詰問しているようにも怒っているようにも読めてしまいます。文面や読み手によっては、責任を必要以上に追及されていると感じ、パワハラであると受け取られてしまう可能性があります(なお、パワハラとは、職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものによりその雇用する労働者の就業環境が害されることを意味します)。対応策としては、「ですます」調を用いたり、ねぎらいの言葉を記載するなどの丁寧な表現を心掛けることが挙げられます。
本記事には、上記のような問題となりうる事例や対応策が複数取り上げられています。また、リモートハラスメント防止チェックリストも末尾に添付されています。
このコロナ禍を乗り切り、次世代の働き方を推進する一助となるかと思われますので、是非ご一読ください。

(弁護士 小熊 克暢)

協力:中央経済社
公式サイト(http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/

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