第6回目は、フレックスタイム制③です。
前回は、フレックスタイム制を採用するために必要な労使協定(①対象となる労働者の範囲、②清算期間、③清算期間における総労働時間、④標準となる1⽇の労働時間、⑤コアタイム、⑥フレキシブルタイム)のうち、①から④まで説明をしましたが、今回は⑤コアタイム、⑥フレキシブルタイムについて、説明をいたします。
⑤コアタイムは、1日のうちで必ず働かなければならない時間帯のことです。必ず設けなければならないものではありませんが、設ける場合には、その時間帯の開始・終了の時刻を協定で定める必要があります。コアタイムを設ける⽇と設けない⽇があったり、⽇によって異なる時間帯にするといった定め方をすることも可能です。
次に、⑥フレキシブルタイムは、労働者が自らの選択によって労働時間を決定することができる時間帯のことです。フレキシブルタイムも必ず設けなければならないものではありませんが、これを設ける場合には、その時間帯の開始・終了の時刻を協定で定める必要があります。フレキシブルタイムが極端に短い場合、コアタイムの開始から終了までの時間と標準となる1日の労働時間がほぼ一致している場合については、基本的には始業時刻、終業時刻を労働者の決定に委ねていることにはなりませんので、注意が必要です。
なお、清算期間が1か月を超える場合には、労使協定を労働基準監督署へ届け出る必要があります。
次回は、「事業場外労働のみなし制①」です!
社会保険労務士 上戸 悠吏江(うえと ゆりえ)
2008年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)。2018年社会保険労務士登録。北海道出身。