第54回目は、ハラスメント⑫~マタニティハラスメント~です。
「制度等の利用への嫌がらせ型」の具体例として、産前休業の取得を上司に相談したところ、「休みをとるなら辞めてもらう」と言われた。ですとか、時間外労働の免除について上司に相談したところ、「次の査定の際は昇進しないと思え」と言われた。などがあります。
マタニティハラスメントは、女性だけではなく、男性にも該当します。育児休業の取得について上司に相談したところ、「男のくせに育児休業をとるなんてあり得ない」と言われ、取得をあきらめざるを得ない状況になっている。
また、育児休業だけではなく、介護休業についても該当します。介護休業について請求する旨を周囲に伝えたところ、同僚から「自分なら請求しない。あなたもそうすべき。」と言われた。「でも自分は請求したい」と再度伝えたが、再度同様の発言をされ、取得をあきらめざるを得ない状況に追い込まれた。というように、制度等の利用の請求等、制度等の利用を阻害するような言動が該当します。
言葉によるものだけではなく、必要な仕事上の情報を与えない、これまで参加していた会議に参加させないといった行為もハラスメントになります。
次回テーマは、「ハラスメント⑬~マタニティハラスメント~」です!
社会保険労務士 上戸 悠吏江(うえと ゆりえ)
2008年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)。2018年社会保険労務士登録。北海道出身。