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[法務サービス部・関上健一郎が行く顧問先訪問]第2回 まもなく創業100年を迎える道内建設業のリーディングカンパニー、岩田地崎建設株式会社

左から、佐藤博志、関上健一郎、宮川功氏、岡崎幸一氏、青柳康史氏

 

北海道を代表し、未来を創造するゼネコン

関上 改めて、現在の会社概要をおしえてください
岡崎 当社は大正11(1922)年に創業。昭和20(1945)年に株式会社岩田組を設立。平成19(2007)年には株式会社地崎工業と合併して、現在に至っています。売上高は約800億円、社員数は730人ほど。土木部門は45%、建築部門は55%くらいの比率です。近年は再開発関係などの大型物件が多く、その分、建築部門の比率が高くなっています。

佐藤 最近の注力する分野はどこですか?
宮川 ニセコ地区のリゾート開発が伸びています。地価も高騰しています。ニセコは世界中が注目するエリアになりました。当社は早くから物件を手掛け、ホテルやコンドミニアムなどを建設してきました。今後も加速度的に進んでいき、工事も大型化しています。土木では、北海道新幹線が札幌延伸に向けてトンネル工事などが活発です。

岡崎 札幌市内も再開発や大型プロジェクトが目白押しです。既にオープンした市民交流プラザ、苗穂駅前、中央区西3丁目、などがあり、建築物が大型化してきています。複合的な建物が多くなっているというのが最近の特徴かと思います。

宮川 災害からの復旧工事もあります。昨年9月の北海道胆振東部地震や、過去には中山峠の土砂崩れ、台風による南富良野・十勝と支笏湖方面の土砂災害の復旧工事を担当しました。建設業の使命として、いち早く復旧支援活動に寄与しなければならないのです。そういう意味では防災・減災の工事にも注力しているところです。

佐藤 土木工事はもともと強い会社でしたよね。カネのことよりも、仕事を一所懸命にやる会社ですよね。誠心誠意、真剣に現場で働く。信頼される仕事をするというのは、ずっと大昔からの伝統でしたね。
宮川 先代からの教え、社内体質がそうなのです。俗に言う職人気質の伝統体質がつづいています。「いいものをつくろう」と。最初の予算はありきながらも、そういう雰囲気はあります。お客さんからは「いいものをつくってくれた。さすが岩田地崎さんだなあ」という、お褒めのことばをいただくことが多い。大変うれしいことです。
岡崎 当社は以前からVEというバリューエンジニアリングということを提唱してきました。価値を上げてコストはそのまま。もしくはコストを下げようということです。こういう技術を全社員に浸透させようと教育には力を入れてきたところはあります。

 

 

関上 最新の技術はどんなことがありますか?
宮川 ドローンで測量するとか、3DのCAD。地下にある水道管や各種ケーブルを立体的に見ることができるシステムがあります。橋桁のケーソン工事はロボットがやります。川の中にコンクリートの基礎を打つ。地上で掘削の機械を動かす時代です。橋梁工事は昔から「橋の岩田」と呼ばれており、高い技術力がある得意分野です。

青柳 ドローンは当別町に練習場を持っています。人が行けない場所へ飛ばして写真を撮影して測量に使います。竣工写真も、昔はセスナを飛ばして撮影していましたが、今はドローンを活用しています。

関上 ところで、当事務所とはいつからのお付き合いですか?
岡崎 もう20年以上になりますかね。太田・小幡綜合法律事務所とは、不動産関連の子会社が顧問契約を結んでいたと記憶しています。その後、平成17年に当時の岩田建設に契約変更して現在に至っています。おそらく当時は建設事業のほかに不動産事業にも力を入れていました。バブル崩壊にともない不良債権をかかえ、法的な立場からアドバイスしてもらえる顧問弁護士が必要になったのだと思います。

佐藤 当事務所の印象はどうですか
宮川 顧問弁護士はなくてはならない存在です。建設業界は1件あたりの取扱い金額も大きく、ちょっとしたミスが命取りになります。日々交わされる契約においてもリーガルチェックは不可欠です。取引先も大手企業や外国企業もあり、企業の抱える紛争トラブルも依然としてなくなることはありません。そんな中、顧問弁護士は事件が大きくなる前に早期に問題の芽を発見し、未然に防ぐためには重要な存在です。

佐藤 大変ありがたいことです。ワンストップサービスができるという部分は当事務所の強みかと思っています。不動産分野でいうと不動産鑑定士の事務所も一緒にやっていますから。公認会計士や税理士、社労士もいます。士業の合同事務所では、日本で唯一成功している例だという評価をいただいています。ある経営コンサルティング会社が言ってくれています。

 

 

宮川 現在は事件も多様化しています。弁護士さんも得意分野があろうかと思います。そういった観点から言えば、いろいろな分野の専門家がそろっている法務会計プラザは企業にとってはありがたい。返答が早いですね。弁護士事務所はたいていどこも敷居は高いのですが、太田・小幡事務所はそうでもないですかね。最近は弁護士さんも若い人が増えているように思います。若手の人とは気さくに応じていただけますから。こんなことを聞いたら失礼かなと思うことでもざっくばらんに聞くことができます。

関上 若手弁護士が2人入りました。
宮川 若い弁護士の先生がたは反応が早い。頭の回転もいい。いろんなITツールを駆使してスピーディーな印象があります。昔の先生はどうしても手書きのイメージ。論点をまとめるのが非常に上手で、ぱっぱっぱっと仕上げてくれる。そして判断が早い。

関上 所内ではITツールを導入して迅速な対応を心がけています。
佐藤 ITツールはいい面もありますが、目の前の人との会話がなくなりましたね(笑)。ちょっと会話すれば済むことを、いちいちチャットワークでやりとりして。事務所の中での会話がなくなりましたよ(笑)。
岡崎 それはわれわれの業界も同じです(笑)。いまの時代は、どこもそうなのでしょう。会議の案内も隣にいてもメールで案内が届くほどですから。
青柳 弁護士さんからの連絡もメールなどが多くなっていますね。内容が残るという意味では便利ですけれど。

 

 

関上 当事務所に期待することはどんなことですか?
宮川 われわれクライアントが望むことは「身近な存在」、「親しみやすく頼れる存在」、「信頼できる存在」です。太田・小幡綜合法律事務所は「法務・会計プラザ」に所属し、弁護士・司法書士・会計士・社労士・行政書士など、あらゆる専門家が集結し、連携しながら課題解決に取り組んでもらえる貴重な弁護士事務所だと思っています。日々期待することは、複雑化する社会で、企業が抱える問題は国際的になっていること。従業員や個人に関係する問題もあります。さらなる専門的なプロ集団になって、スピーディーな対応と的確なアドバイスをお願いできればと思っています。

関上 今後の取り組みにはどんなことがありますか?
岡崎 先日の地震によって社内では改めてBCP(事業継続計画)の重要性を認識しました。緊急事態が発生したときに事業資産の損害を最小限にとどめ、事業継続の方法などに着手しています。また、当社は2022年に創業100年を迎えます。その準備で「100周年推進室」が新設されました。次の100年を見据えたビジョンなどを検討していこうという動きがあります。

 

 

関上 本日は貴重なお時間をいただき、ありがとうございました。今後もひきつづき、よろしくお願いいたします。

(本文敬称略)

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