2020.3.3
新型コロナウイルスへの対応について
新型コロナウイルスに関して、連日さまざまな報道が行われています。北海道では緊急事態宣言により、まずは2月29日と3月1日に外出を控えるよう発表されました。企業の皆さまにおかれましても、さまざまな対応を求められるかと思います。
【休業する際の賃金支払い】
従業員を休業する場合の賃金支払については、労働基準法第26条では、「使用者の責に帰すべき事由」による休業の場合には、使用者は、休業期間中の休業手当(平均賃金の100分の60以上)を支払わなければならないとされています。感染者を休業させる場合には、一般的には「使用者の責に帰すべき事由」には当たらないと考えられます。他方,感染の疑いがある場合で、「帰国者・接触者相談センター」の結果を踏まえても、職務の継続が可能である方について、使用者の自主的判断で休業させる場合には、一般的に「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。発熱などの症状だけで一律に休業の措置をとる場合のように、使用者の自主的な判断で休業させる場合は、一般的には「使用者の責に帰すべき事由による休業」に当てはまり、休業手当を支払う必要があります。個別に判断する必要がある場合がありますので、判断に迷う場合にはご相談下さい。
【在宅勤務の注意点】
感染予防に向けた働き方のひとつとして、在宅勤務が取り上げられています。人との接触が減るという意味で在宅勤務は感染予防として有効かと思いますが、企業としては気をつける点があります。オフィス以外での業務になりますのでセキュリティの問題が考えられますし、長時間労働につながる可能性も考えられます。今日、明日から急に在宅勤務を導入することは難しいかもしれませんが、今後のためにもセキュリティや、在宅勤務に際して規程の整備をすることは今からでも遅くありませんので、専門家への相談をご検討なさることをお勧めいたします。導入事例などについて厚生労働省のホームページで公開されています。
>厚生労働省 テレワーク総合ポータルサイト https://telework.mhlw.go.jp/
【事業者への国の支援策】
今回の新型コロナウイルス感染症の影響を踏まえ、雇用調整助成金に特例が適用されることとなり、要件を満たす事業主に対し休業手当や賃金等の一部を助成したり、今後は、小中学校の休校などに伴う保護者の所得減少に備え、新しい助成金制度を創設する考えも国から発表されました。経済産業省では事業者への資金繰り支援など、大規模な支援策を講じることを明らかにしています。
>経済産業省 新型コロナウイルス感染症関連 https://www.meti.go.jp/covid-19/index.html
また、厚生労働省のホームページでは、新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け)が公開されています。ご参照いただければと存じます。
>厚生労働省 新型コロナウイルスに関するQ&A(企業の方向け) https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/dengue_fever_qa_00007.html
>厚労省 新型コロナウイルス感染症に係る小学校等の臨時休業等に伴う保護者の休暇取得支援(新たな助成金制度)について https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_09869.html
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