弁護士法人PLAZA総合法律事務所 PLAZA LOW OFFICE

【ビジネス法務】消費者契約法上の「不当条項」該当性と修正例

『ビジネス法務』2021年3月号の実務解説は「消費者契約法上の『不当条項』該当性と修正例」です。その中で「東京高判令2.11.5をふまえた利用規約の留意点」と題して、株式会社ディー・エヌ・エー社の事例が取り上げられています。同社が運営するポータルサイト「モバゲー」の利用規約について、どのように修正したのか解説がなされています。

  • Ⅰ はじめに
  • Ⅱ 事案の概要と判決要旨
  •  1事案の概要
  •  2判決要旨
  •   (1)本件規約7条1項c号およびe号
  •   (2)本件規約7条3項
  • Ⅲ 本判決が実務に与える影響
  •  1「紛争後」の考え方から「紛争前」の考え方へ
  •  2「当社が合理的に判断した場合」との文言の使用
  • Ⅳ 本判決をふまえた利用規約の修正例
  •  1必ず修正する必要がある箇所
  •  2修正することが望ましい箇所
  • Ⅴ おわりに

 <PLAZA総合法律事務所の弁護士解説>

「当社の措置によりモバゲー会員に損害が生じても、当社は、一切損害を賠償しません。」
皆様は、この条項を読んで、どのような条項であるとお感じになられるでしょうか。
本記事は、株式会社ディー・エヌ・エー(以下「DeNA」という)が運営するポータルサイト「モバゲー」の利用規約について、不当条項該当性を判断した、東京高判令2.11.5について解説されております。
消費者契約法第8条第1項第1号と第3号は、事業者が債務不履行責任または不法行為責任を負う場合にその責任の全部を免除することを禁止しており、また、同第2号と第4号は、事業者が自己の故意または重過失によって債務不履行責任または不法行為責任を負う場合にその一部でも免除することを禁止しています。
DeNAは上記条項について、DeNAが債務不履行責任を負う場合には適用されないものであり、不当条項ではないと主張しました。しかし、東京高裁は、「消費者契約の条項に文言を補い限定解釈するということは…極力控えるのが相当である」と判示し、不当条項に該当すると判断しました。
DeNAがこのような条項を定めた理由は、クレーマー的消費者からの要求を簡潔に拒否できるようにしたいとの考えがあったからでした。
そして本記事では、本判決を踏まえた利用規約の修正方法が紹介されております。
例えば、上記条項ですと、「当社は利用者に生じた損害について、当社が債務不履行責任又は不法行為責任を負う場合を除き、賠償する責任を一切負わないものとします。」のように債務不履行責任を負う場合には適用されないことを明記するよう修正するべきとされております。
利用規約を適法かつ消費者にとって分かりやすいものにしておくことは会社の信用を守ることにつながりますので、作成当初から作りこんでおくことが重要です。
クレーマー的消費者の対応や、利用規約の作成方法など、ご不明の点は是非ご相談ください。

(弁護士 櫻井 彩理)

協力:中央経済社
公式サイト(http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/

最近のコラム