第22回目は、就業規則②です。
就業規則作成・手続きの流れは、1.就業規則の作成、2.意見聴取、3.労働基準監督署長への届出、4.労働者への周知になります。
まず、「1.就業規則の作成」についてです。就業規則に記載する内容は、必ず記載しなければならない絶対的必要記載事項、事業場で定めをする場合に記載する必要のある相対的必要記載事項、記載するか自由である任意的記載事項があります。絶対的必要記載事項と相対的必要記載事項については、労働基準法89条に定められています。
会社や事業所に合った内容で就業規則を作成したら、次は、労働者の代表に意見を聴かなければなりません(「2.意見聴取」)。意見を聴く労働者の代表とは、企業の事業場ごとにみて、労働者の過半数で組織する労働組合がある場合にはその労働組合(過半数組合)、そのような組合がない場合は、労働者の過半数を代表する者(過半数代表者)をいいます。
「過半数組合」とは、その事業場のすべての労働者の過半数を占める労働者が加入している労働組合をいいます。「過半数代表者」は、その事業場の労働者全員の意思に基づいて選出された代表者をいい、労働基準法41条2号に規定する管理監督者の地位にある者でないことが求められています。過半数代表者の選出は、その選出の目的(選出された過半数代表者が何をするのか)を明らかにした上で実施される、投票、挙手等の民主的な方法による手続きを経て選出された者であることが必要です。
なお、ここで必要とされる手続きは、「意見を聴く」ことで、労働組合等の同意を得ることまでは不要です。
次回テーマは、「就業規則③」です!
社会保険労務士 上戸 悠吏江(うえと ゆりえ)
2008年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)。2018年社会保険労務士登録。北海道出身。