弁護士法人PLAZA総合法律事務所 PLAZA LOW OFFICE

第30回目は、賃金①です。

賃金とは、「賃金、給料、手当、賞与その他名称の如何を問わず、労働の対償として使用者が労働者に支払うすべてのもの」と、労働基準法第11条に定義しています。すなわち、①労働の対償であること、②使用者が労働者に支払ったものであること、の2つが要件です。
①労働の対償とは、ⅰ実費弁償的なものでないこと、ⅱ任意的、恩恵的なものでないことです。
ⅰ実費弁償的なものとは、労働者が会社に変わって立替払いをしているに過ぎないもの例えば、出張旅費、交際費などがこれに該当します。
ⅱ任意的、恩恵的とは、使用者が任意に慶弔見舞金を与えること、福利厚生施設の供与などが考えられます。ただし、就業規則、給与規程、労働契約によるほか、事業所の確立した慣習等によりその支給が事業主に義務づけられているものは、労働の対償にあたります。
②の使用者が労働者に支払ったものであることについては、使用者を通じないで従業員が得るもの、例えば従業員がお客様等から直接受け取ったチップ等は、賃金とはなりません。

次回テーマは、「賃金②」です!

社会保険労務士 上戸 悠吏江(うえと ゆりえ)

2008年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)。2018年社会保険労務士登録。北海道出身。

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