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【ビジネス法務】製造物責任法の基礎〜責任要件と対策の要諦

『ビジネス法務』2023年12月号の特集1は「製造物責任法(PL法)の最新実務」です。その中に「製造物責任法の基礎〜責任要件と対策の要諦」(執筆:尾崎恒康弁護士)があります。本稿では、このPL法をとりまく課題や展望、製品事故に備えた平時・有事の対応実務などの諸問題を理解するにあたっての導入として、同法の存在意義や要件解釈を中心に基本的事項のおさらいが解説されています。

  • Ⅰ はじめに
  • Ⅱ 製造物責任法制定の意義
  • Ⅲ 製造物責任とは
  • Ⅳ 製造物責任が認められる要件
  •  1「製造業社等」
  •  2「製造物」
  •  3「欠陥」
  •  4「損害」
  •  5「因果関係」
  •  6免責事由
  •  7その他
  • Ⅴ 企業の製造物責任対策概論
  • Ⅵ 製品安全をめぐる近時の動向

<PLAZA総合法律事務所の弁護士解説>

本記事では、製造物責任に関する実務解説がなされています。製造物責任とは、「製造業者等」によって製造等がなされた「製造物」について、当該製造物に「欠陥」が存在し、当該欠陥によって「損害」が発生した場合に、当該製造業者等が負う損害賠償責任を指します(製造物責任法3条)。

「製造物」とは、製造又は加工された動産を指します(不動産や加工されていない農産物等は対象外となります。)。また、「製造業者」とは、製造物を業として製造、加工、輸入した者の他、(第三者が製造した)製造物に製造業者として自身の氏名等を表示した者(又は製造業者と誤認させるような氏名等の表示をした者)、製造過程等を鑑みて、実質的な製造業者と認めることができる氏名等を表示した者等を指します(実際の製造物の製造者のみに限られません。)。そして、「欠陥」とは、製造物が通常有すべき安全性を欠いていることを指します。「損害」について、製造物の欠陥によって他人の生命、身体または財産が侵害されて損害が生じたことを指します(製造物の欠陥それ自体は損害とはなりません。)。加えて、製造物責任の前提として、「欠陥」と「損害」との間の因果関係も必要となります。なお、製造物責任について、一定の免責事由が存在します(製造物責任法4条)。

製造物責任について、企業に求められる対策として次のようなものが挙げられます。まず、損害発生の防止の観点から、欠陥のない製品を製造するための社内体制の整備・強化が挙げられます(製品の開発段階で想定される危険と対策過程を具体的に記録し、保管する等。)。次に、損害の拡大防止の観点から、リコール体制の構築を図ることが挙げられます(対応マニュアルの整備、リコール対応組織・人員の強化。各部門、外部専門家との連携強化等。)。そして、損害の填補の観点から、PL保険やリコール保険に加入すること等が挙げられます。

本特集では、製造物責任の概要の説明の他、製造物責任が問題となる事例の紹介、問題発生時の諸対応等についての解説がなされています。この機会にぜひご一読ください。

弁護士 小熊 克暢(おぐま かつのぶ)

札幌弁護士会所属。
2020年弁護士登録、同年PLAZA総合法律事務所入所。北海道出身。

協力:中央経済社
公式サイト(http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/

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