弁護士法人PLAZA総合法律事務所 PLAZA LOW OFFICE

【ビジネス法務】令和5年改正景品表示法の要点

『ビジネス法務』2024年9月号の実務解説は「令和5年改正景品表示法の要点」です(執筆:木川和広弁護士)。2023(令和5)年5月に不当景品類及び不当表示防止法の改正法が成立し、2024年10月1日に施行されます。本稿では、事業者の関心の高い部分に絞って、制度の概要と実務的な展望が解説されています。

  • Ⅰ 確約手続の導入
  •  1確約手続とは
  •  2確約手続の流れ
  •  3確約手続の対象
  •  4是正措置の内容
  •  5制度の利用に関する展望
  • Ⅱ 課徴金制度における返金方法の弾力化
  •  1制度の概要
  •  2制度の利用に関する展望
  • Ⅲ 課徴金額の推計規定の新設
  •  1制度の概要
  •  2制度の利用に関する展望
  • Ⅳ 再違反事業者に対する課徴金の割増し規定の新設
  •  1制度の概要
  •  2制度の利用に関する展望
  • Ⅴ 不当表示に対する直接の刑事罰の新設
  •  1制度の概要
  •  2制度の利用に関する展望
  • Ⅵ 最後に

<PLAZA総合法律事務所の弁護士解説>

本記事では、令和5年5月に改正法が成立し、令和6年10月1日に施行される、不当景品類及び不当表示防止法の改正法(以下、「令和5年改正景表法」といいます。)の改正点についての実務解説が行われています。

令和5年改正景表法において、主に、①確約手続という手続の導入、②課徴金制度における返金方法の弾力化、③課徴金額の推定規定の新設、④再違反事業者に対する課徴金の割増規程の新設、⑤不当表示に対する直接の刑事罰の新設等の改正がなされました。この内、①と⑤について取り上げたいと思います。

まず、①確約手続の導入について、確約手続とは、a.景表法違反の疑いのある事業者から、景表法違反が疑われる行為やその影響を是正するための是正措置計画書を提出させ、b.その計画が是正措置として十分であり、確実に実施されると見込まれると消費者庁が認定した場合、景表法違反が疑われる行為に対する措置命令や課徴金納付命令を行わないこととする制度です。確約手続は、措置命令や課徴金納付命令と比べ、景表法違反行為について、事業者の自主的な取組による早期の是正が期待されます。

次に、⑤不当表示に対する直接の刑事罰の新設について、優良誤認表示(自己の供給する商品又は役務について、実際の物や他の事業者が提供している同種の物よりも著しく優良であるように一般消費者に誤認させるような表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあるもの)と有利誤認表示(自己の供給する商品又は役務の取引条件について、他の事業者に係るものよりも取引の相手方に著しく有利であると一般消費者に誤認される表示であって、不当に顧客を誘引し、一般消費者による自主的かつ合理的な選択を阻害するおそれがあると認められるもの)につき、刑事罰が新設されました。今後、優良誤認表示や有利誤認表示をした者や法人に対し、100万円以下の罰金が科せられるようになります(令和5年改正景表法48条、49条1項2号)。  

本記事では、確約手続等について、より詳しい解説がなされています。この機会にぜひご一読ください。

弁護士 小熊 克暢(おぐま かつのぶ)

札幌弁護士会所属。
2020年弁護士登録、同年PLAZA総合法律事務所入所。北海道出身。

協力:中央経済社
公式サイト(http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/

最近のコラム