第4回目は、フレックスタイム制①です。
フレックスタイム制とは、1か月など一定の期間※(清算期間)についてあらかじめ定められた総労働時間があり、その範囲内で日々の始業・終業の時刻を、労働者自身が自由に決めることができる制度です。一般的に、「コアタイム:1日のうちで必ず働かなければならない時間帯」と「フレキシブルタイム:労働者自身の選択により労働することができる時間帯」を設定して運用することが多いですが、コアタイムやフレキシブルタイムは必ず設定しなければならないものではないので、それを定めず、24時間いつ働いてもいいというスーパーフレックスを導入している会社もあります。
例えば、清算期間「1か月」、総労働時間「160時間」、コアタイム「午前10時から午後2時」、フレキシブルタイム「午前7時から午後7時」とした場合で考えてみます。清算期間の1か月で総労働時間160時間を働いていれば、ある1日は午前8時から午後6時まで働き、次の日は午前10時から午後2時まで働くといった柔軟な働き方ができることになります。
フレックスタイム制を採用するには、就業規則で、始業及び終業の時刻を労働者の決定に委ねる旨を規定し、労使協定で、①対象となる労働者の範囲、②清算期間、③清算期間における総労働時間(清算期間における所定労働時間)、④標準となる1⽇の労働時間、⑤コアタイム、⑥フレキシブルタイムを定める必要があります。
※従来のフレックスタイム制の清算期間の上限は1か月でしたが、平成31年4月より上限が3か月以内に延長されました。
次回は、「フレックスタイム制②」です!
社会保険労務士 上戸 悠吏江(うえと ゆりえ)
2008年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)。2018年社会保険労務士登録。北海道出身。