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【労働法の基礎】~第15回 年次有給休暇①

第 15 回目は、年次有給休暇①です。

年次有給休暇は労働基準法第 39 条に定めがあり、入社後最初の成立要件は、①雇入れの日から起算をして 6 か月間継続勤務したこと、②その間の全労働日の 8 割以上出勤をしたことで、この要件を満たした労働者には、10 日分の有給休暇が発生します。

その後は、最初に有給休暇が発生した日から1年を経過した日に、その間の全労働日の8割以上出勤したことを満たせば、下記表のように有給休暇が発生します。

また、パートタイム労働者など、所定労働日数が通常の労働者と比べて少ない労働者についても有給休暇は発生します。

労働者から有給休暇を取得したい旨の請求があった場合、使用者は、労働者の請求する時季(労働者が取得を希望する日)に有給休暇を与えなければなりません。使用者は、労働者が請求した時季に有給休暇を与ることが事業の正常な運営を妨げる場合にのみ、他の時季に有給休暇を変更することができます。これを時季変更権といいます。時季変更権の行使が認められるのは、例えば同じ日に同時に労働者が休暇指定した場合などが考えられます。単に「業務多忙だから」という理由では、時季変更権は認められません。

次回テーマは、「年次有給休暇②」です!

社会保険労務士 上戸 悠吏江(うえと ゆりえ)

2008年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)。2018年社会保険労務士登録。北海道出身。

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