第28回目は、出向①です。
出向には、「在籍出向」と「移籍出向」の2つの種類があります。
「在籍出向」とは、労働者が自己の雇用先の企業(出向元)に在籍のままで、他の企業(出向先)において相当期間にわたって、出向先の労務に従事させることをいいます。このとき労働者は、出向元企業と出向先企業の両方と雇用契約を結んでいる状態です。
「移籍出向」は、労働者が自己の雇用先の企業(出向元)から他の企業(出向先)へ籍を移して、出向先の業務に従事することをいいます。労働者は、出向元との雇用契約を終了し、出向先と新たに雇用契約を結ぶ状態です。移籍出向は、出向元への復帰を前提としていない点で、在籍出向とは異なります。
出向は、労働者を離職させるのではなく、別の会社において雇用機会を確保する場合、子会社やグループ会社への経営・技術指導を目的とする場合、出向先で経験を積ませて能力開発を図る場合などがあります。
次回テーマは、「出向②」です!
社会保険労務士 上戸 悠吏江(うえと ゆりえ)
2008年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)。2018年社会保険労務士登録。北海道出身。