弁護士法人PLAZA総合法律事務所 PLAZA LOW OFFICE

第46回目は、ハラスメント④~セクシュアルハラスメント~です。

「環境型セクシュアルハラスメント」とは、労働者の意に反する性的な言動により労働者の就業環境が不快なものとなったため、能力の発揮に重大な悪影響が生じるなどその労働者が就業する上で看過できない程度の支障が生じることをいいます。

典型的な例として、次のようなものがあります。

(1)事務所内において上司が労働者の腰、胸などに度々触ったため、その労働者が苦痛に感じてその就業意欲が低下していること。

(2)同僚が取引先において労働者に係る性的な内容の情報を意図的かつ継続的に流布したため、その労働者が苦痛に感じて仕事が手につかないこと。

(3)事務所内にヌードポスターを掲示しているため、その労働者が苦痛に感じて業務に専念できないこと。

セクシュアルハラスメントの状況は多様であり、判断にあたっては個別の状況を斟酌する必要があり、該当するか否かの判断が難しい場合もあります。

労働者の主観を重視しつつも、一定の客観性が必要になります。また、判断にあたっては、男女の認識の違いにより生じている面があることを考慮すると、被害を受けた労働者が女性である場合には「平均的な女性労働者の感じ方」を基準とし、被害を受けた労働者が男性である場合には「平均的な男性労働者の感じ方」を基準とすることが適当です。

次回テーマは、「ハラスメント⑤~セクシュアルハラスメント~」です!

社会保険労務士 上戸 悠吏江(うえと ゆりえ)

2008年太田綜合法律事務所(現PLAZA総合法律事務所)。2018年社会保険労務士登録。北海道出身。

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