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【ビジネス法務】ITサービスにおける「利用規約」作成のポイント

『ビジネス法務』2023年1月号127頁~の連載は「ITサービスにおける『利用規約』作成のポイント」(執筆:中山茂弁護士・古西桜子弁護士・丸山駿弁護士)です。その第3回。「禁止事項、利用者に対するペナルティ等」について解説がなされています。

  • Ⅰ 禁止事項
  •  1禁止事項を定める意義
  •  2バスケット条項
  • Ⅱ 利用規約違反に対するペナルティ
  •  1利用規約違反に対するペナルティ
  •  2一定期間の利用停止・強制退会
  •  3無催告での強制退会の可否
  •  4利用者の義務違反に対する違約金条項
  •  5利用者の中途解約に関する違約金条項
  • Ⅲ その他の利用者に負担を課す条項
  •  1権利放棄をみなす条項
  •  2利用料金の支払遅延時の遅延損害金

 <PLAZA総合法律事務所の弁護士解説>

1、はじめに
本稿では、IT サービスの利用規約に記載されている禁止事項、及び当該禁止事項の違反行為があった場合の対応について解説がされています。具体的には、「その他の不適切な行為」という抽象的な記載を禁止事項として利用規約に掲げておくことの可否、そして、規約違反があった場合に、利用停止処分・退会処分という利用者(消費者)に重大な不利益をもたらす罰則措置を講じることの可否についてなどです。

2、利用規約上の禁止事項の定め方
利用規約に禁止事項が設けられている場合、多くのケースでは、当該禁止事項違反があった場合に適用される罰則措置も規定されています。すなわち、利用規約に規定されている禁止事項は、利用者にとっては、自身が罰則処分という形で不利益を被る可能性のある事項が列挙された規約となります。したがって、禁止事項の記載は、利用者にとって予測可能性のある、具体的な記載であることが求められます。禁止事項が具体的に記載されていない場合には、民法548条の2第2項や、消費者契約法
10条により無効と判断される可能性があり、実際、モバゲー利用規約事件(東京高判令2.11.5)では、『「その他の不適切な行為」があった場合には、会社は一切の損害を賠償しない旨定めていた規定』が無効であると判断され、「その他の不適切な行為」という抽象的な記載(いわゆるバスケット条項)で禁止事項を規定することにつき否定的な評価が下されました。対応策として、禁止条項にバスケット条項を盛り込む際には、「前各号に準じ」といった記載を付加するなどして、可能な限り、禁止事項の具体化を図る必要があります。

3、利用規約違反に対するペナルティ
また、ペナルティ条項として、「〇号に掲げる利用規約違反があった場合には、無催告での利用停止・強制退会措置を講じます。」というような利用規約が設けられているケースも多々あります。
契約自由の原則からすれば、かかる規約も有効であるように思われますが、BtoC取引においては、消費者契約法10条による修正が加えられます。具体的には、違反の重大性、催告期間を設けることができない合理的な理由及び緊急性、利用者が利用停止・退会処分という形で被る不利益の大きさなどを考慮した上で、無催告解除が正当なものと認められることが必要になります(消費者庁消費者制度課「逐条解説」(2019年2月)166頁参照)。

4、おわりに
今回もお目通しをいただき、ありがとうございました。本稿では、その他にも、利用規約違反があった場合の違約金条項、権利放棄条項などについて解説がされています。ご一読いただき、御社の利用規約改定の手掛かりとしていただければ幸いです。

弁護士 白石 義拓(しらいし よしひろ)

第二東京弁護士会所属。
2022年弁護士登録、同年PLAZA総合法律事務所入所。栃木県出身。

協力:中央経済社
公式サイト(http://www.chuokeizai.co.jp/bjh/

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